以前、銀魂のなかで「マンガのキャラはシルエットを見ただけで、それが誰だかわかるようじゃないといけない」というセリフがあった。
たとえば、ワンピのルフィやドラゴンボールの孫悟空なんかは、シルエットを見ただけでキャラの判別ができる。それぐらいわかりやすくキャラデザインしないとダメだと。
感心した。
なるほど。マンガ業界ではそういう経験知があるのかと。さすがに餅は餅屋だ。
この「シルエットでキャラがわかるようじゃないとダメ」という話は銀魂のなかで、何回か出てる。おそらく、空知は編集者に実際にこういうことを言われたことがあるんだろう。
それじゃこの話を試してみようと私は思った。はたしてマンガのキャラのシルエットだけでどれだけキャラの判別が出来るものなのか?
ということで、シルエットクイズを作ってみた。
こういうのは難しくしようと思えば、どこまでも難しくできるものだ。だけど、あまりに難易度が高すぎてもつまらないので、思いっきり簡単にしてみた。
ほとんどが誰でも知っている人気マンガだし、しかも表紙からとってる。まあ、これはアマゾンの画像リンクを使えるので、画像の調達が楽だから、っていう理由もあるけど。
ただ、作ってる途中で飽きてきちゃったんで(何時間もシルエットばかりつくり続けてたら、そりゃ飽きる)、マンガ以外のジャンルのものもいくつか混ぜてみた。注意。
画像処理が下手なので、シルエットがギザギザになってたりもするんですけど、暇な人はどれだけわかるものなのか、試してみてください。
[マンガキャラシルエットクイズ]問1問2
問3問4問5問6問7問8問9問10
↓ 答え
問1答え神楽坂明日菜(魔法先生ネギま!)問2答えクラウザーさん(デトロイト・メタル・シティ )
問3答え野田恵(のだめカンタービレ)(持ってるトライアングルを消したら、敬礼してるようにしか見えなくなっちゃった)
問4答えシーマン(シーマン)(覚えていさえいれば、簡単にわかったはず)
問5答えよつば(よつばと!)(いちばん簡単なのがこれかも)
問6答え大山のぶ代(アクターズ・セブン)(いろんな意味でごめん)
問7答え大崎ナナ(Nana)問8答えジャイアント馬場(ジャイアント台風)問9答えキメラ・アントの王さま(HUNTER×HUNTER )問10答えジュディ・オング(魅せられて)(特に意味はないけど、入れてみた)
[感想]
さて、みなさんはどのくらい正解できたんだろう?これ。
ちなみに、私は全問正解だった。当たり前だ。なにしろ自分で問題作ってるんだから。
このクイズの難易度がどれくらいなのか、はからずも、全問正解してしまった私には知るよしがない。本当にシルエットだけでキャラ判別ができるものなのかどうかを確かめたかったんだけど、自分でクイズを作ったら、自分が全問正解できてしまうことに、もう少し早めに気づいておくべきだった。
記事をアップする前に友達に聞け?友達いないから無理。
ということで、難易度がイマイチよくわからないのだが、レベル分けすると、たぶん、こんな感じではないかと思う。
マンガとは関係のない、シーマン、ジュディは除き、また、問6の正解がドラえもんでも可とした場合(つーか、それが正解だけど)。
超簡単
ドラえもん、よつばと
簡単
ネギま、HUNTER×HUNTER、デトロイト・メタル・シティ
難しい
のだめカンタービレ、Nana
超ムズ
ジャイアント台風
このクイズは、すべて表紙でシルエットを作ってみたので、その表紙に見慣れている、見慣れていないの差によって、個人的な難易度は変わってくると思う。
だけど、シルエットからキャラを推測できるかどうか、っていう点で考えると、こういう難易度になるんじゃないだろうか。
たぶんだけど、正答率は50%くらい?
さて、ジャイアント台風を正解できた人は、プロレスファンか梶原ファンに限られていると思うので、とりあえずそれは放っておく(正解できた人はすごい)。
ここで取り上げてみたいのは、難しいんじゃないかと私が思ったのだめとNanaだ。
まず、のだめカンタービレなんだけど、のだめは極めて平凡なシルエットしか与えられていない。これなら、ドラマでのだめを演じた上野樹里でも大差ないくらいだ。
そして、Nana。こっちは、そもそものシルエットと異なってる。帽子をかぶってるし、マフラーを巻いてる。
これは表紙だから、シルエットで判別できた人もいたかもしれないけど、これがもし、作中の一コマだったら、たぶん、確実にわからなかっただろう。そして、実際、作中でも、ナナや奈々やレイラは頻繁に髪型を変えたり、服を変えたりしてる。つまり、シルエットが変わっている。
要するに何が言いたいのか?
少女マンガ系ってぜんぜんシルエットにこだわってないよね、って、それが言いたい。
もっとも、そんなのは、クイズを作る前にわかってたけど。
そもそも、銀魂でも「
少年マンガはそれくらいわかりやすくないといけない」と言われてた。
銀魂で言われていた「シルエットでキャラ判別できないといけない」という言葉の意味は、読者がキャラを簡単に見分けられるように、ということなんだろう。たとえば、私はもやしもんの長谷川と武藤って、どっちがどっちだか、わからなくなるときあるし。顔のアップだと特にそう。
だから、シルエットで直感的にわかるくらいじゃないといけないってことだと思う。
だけど、ファッション誌的な要素も求められる少女マンガでは、シルエットでキャラ立てするなんていうことはできないんじゃないかと思った。
その代わりのキャラ判別法として、たとえば、Nanaの場合だと、髪の性質を変えるという手をとってる。
メインの3女性キャラの髪
(黒髪、短髪)(茶髪、中髪)(金髪、長髪)
もっとも、これは少女マンガに限らず、どのマンガでも見られる基本的な手法だろうけど。
あとは、同じ少年マンガと言っても、ジャンプ、マガジン、サンデーではそこらへんの意識の持ちようがだいぶ違ってるんじゃないかと。
やっぱり、ジャンプのマンガはたしかにシルエットで判別しやすいのが多い印象があるかなあ。当の銀魂は除くけど。
他に書きたいことはいろいろとあるんだけど、とりあえず、このへんで。
[追記]この記事に対して、こういうメールをいただいたんで、紹介します。
朝目新聞のリンクから飛んできた一見者です。始めまして。
ttp://saionman.blog.2nt.com/blog-entry-94.html
さて、当該記事の
>この「シルエットでキャラがわかるようじゃないとダメ」という話は銀魂のなかで、
>何回か出てる。おそらく、空知は編集者に実際にこういうことを言われたことがあるんだろう。
についてですが、この格言の出所を知っています。というかこの記事見て
ものすごくデジャブを感じたのですが、間違いなくあの人が全く同じことを言ってました。
大先輩・荒木比呂彦先生です。
講演レポート
ttp://homepage3.nifty.com/tomi_tomi/araki.htm
ttp://atmarkjojo.org/archives/2007/2007-11-06-001503.html
その他関連
ttp://atmarkjojo.org/archives/2007/2007-07-03-001431.html
ttp://atmarkjojo.org/archives/2006/2006-06-24-001194.html
ttp://blog.livedoor.jp/muyshizen11/archives/50843285.html
ttp://kajipon.sakura.ne.jp/art/jojo-araki.html
公演によってワンピ・ミッキー・ピカソ・Mジャクソンなど引き合いに出される作品が変わりますが
「15メートル離れて見ても分かる絵」というのは氏が言葉を変えながらも繰り返し
言っておられるのが分かります。 銀魂の空知さんは編集づてに知ったのか、荒木氏から直に
教わったかは分かりませんが、その受け売りをネタとして紙面に出したのは間違いないでしょう。
この言い方の元が荒木氏なのかどうかについてはちょっとわかりませんが、たいへん参考になりました。どうも、ありがとうございます。