2ntブログ

| PAGE-SELECT |

≫ EDIT

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

| スポンサー広告 | trackbacks(-) | TOP↑

≫ EDIT

久しぶりにI"sを読んでみたら、あれ、伊織の顔ってこんなんだっけか?と思った





200905080001.jpg








200905080003.jpg





200905080004.jpg





200905080005.jpg





200905080007.jpg






200905080008.jpg






200905080009.jpg






200905080010.jpg






200905080011.jpg





200905080012.jpg




| 書評 | trackbacks:0 | TOP↑

≫ EDIT

手塚治虫的アニメの作りかた

4197201796SF Japan VOL.3 冬季号 手塚治虫スペシャル
徳間書店 2001-12

by G-Tools



古本屋でたまたま見つけて何の気なしに購入したムック。


ここには手塚治虫の漫画をもとにした小説が何篇か収められている。小説のほうはまだ読んでないんだけど、その他に、永井豪、寺田克也、小松左京らに、手塚治虫についてインタビューした記事がいくつかある。
そのなかで抜群に面白かったのが、杉井ギサブロー(タッチ、銀河鉄道の夜)、富野由悠季(海のトリトン、ガンダム)への対談形式のインタビュー。


これがなぜ面白かったのか?
一言で言えば、この二人だけ、手塚治虫を誉めてなかったからだ。
まあ、誉めていないというのは、ちょっと語弊があって、もちろん、誉めている部分もあるんだけど、他の人みたいに「手塚先生は神様!」みたいなトーンではぜんぜんない。


この差異がどこから来るかというと、この二人はアニメとの関わりで手塚治虫を見ているからだと思われる。他の人、たとえば永井豪なんかは、当然、漫画というフィルターを通して、手塚治虫を見ているので、インタビューを読み比べてみると、そこらへんの空気感があきらかに違っている。


この二人は虫プロにいたときの話をしているんだけど、私は虫プロについて大雑把なところしか知らなかったので、その具体的な話がとても面白かった。


ということで、その部分を抜き出してみる。



ーーー杉井さんは、手塚先生のマンガのほうはよく読まれていたんですよね。それがきっかけで、虫プロに入られたんですか?


杉井 もちろん、小さい頃から大ファンで、マンガはほとんど読んでいましたけど、僕はもともと、小学校のころからアニメーションが好きで、だから最初は東映に入ったんですよ。だけど『安寿と厨子王丸』なんてつくってるんで、何だつまらないや、というので勝手に飛び出しちゃってね。そのとき、先生がアニメをやるという話を聞いて、それは面白そうだというので手塚先生のところに行ったんです。というのも、手塚先生がアニメーションをやるということは、ディズニーのようなものをやると思ったんですよ。なら、これは触ってもいいかなと。もっとも、僕はディズニーがあんまり好きじゃないんですが(笑)。でも、さしあたり日本でディズニーをできるのは手塚先生かなというのが、ほんと正直、素直にあって。ただ、いざ入ってみると、この予想は大きく外れました。


ーーーそれはどういう・・・・・?


杉井 僕は『アトム』の第一話では原画をやっているんですが、もう忘れもしない僕が描いたアトムのワンカット目です。動画紙に先生の絵でレイアウトがしてあって、「アトム驚く、二秒」と書いてある。で、セリフが横に書いてあって、「アトム、ハッとして」と、アトムの額に汗が流れていてね。それで、僕は「アトムが驚いてハッとなる」カットだということで、驚いた顔の、その前の原画を一生懸命に描いていたんですよ。すると、先生がいきなり後ろにきて、「ギッちゃん、何やってんですか?」と。「その動きはいりません」「は?」「驚きっぱなしの止めの絵でいいです」という話になってね(笑)。


富野 それはすごい(笑)。



たしかに、これはすごい(笑)。


この他にも、アトムが汗を流しているところを描こうとしたら「(自分の漫画では汗が動いていないからという理由で)動かさなくていい」と言われた話、大群衆が走るシーンは四枚の絵だけ描いて、それを繰り返すことで走ってるように見せたという話を杉井ギサブローはしてた。


ここで語られているのは、いわゆるリミテッドアニメ的な手法なわけだけど、この手塚治虫の『発明』に対して、杉井ギサブローはこう語っている(*1)。

杉井 僕は、そのちょっと前まで、東映でフルアニメーションやってますよね。だから、こんなものはアニメになるのかと思いましたよ。二秒間驚いてて、目がパチパチとして、口でパカパカとセリフをいって、汗も動かさない。正直、こんなものはいくらつくったって絶対まともな映像にはならんと思って、それこそ、手塚先生に途中で「こんなものはアニメーションじゃない」といったこともあるんです。そうしたら手塚先生が名セリフ「ギッちゃん、これはアニメーションじゃありません、テレビアニメです」と言ったんですよ。「テレビアニメってどういうことですか」と聞いたら「いや、ギッちゃん、動きを動きで見せていくのがアニメーションだというのであれば、僕は子どもたちに物語を見せたい。その物語を補足するためのアニメーションであればいい。そうするとギッちゃんがやろうとしていたことは、動きの説明にすぎないですよね。歩いてるのに止まっては子どもが見ても変だから、それは歩かせてほしいけど、驚いててセリフがあるところで、こんなアクションというのはいらないんじゃないですか。ですから、そこはもう止めてよろしい」と。そして実際に、音楽が付いてちゃんとできあがったときに、作品になってるのにはびっくりしましたよ。アニメに対するすべての思考がひっくり返りました。なまじフルアニメーションなんかやってた者には絶対に考えられないことだった。プロの盲点というか、もし手塚先生がディズニーのようになりたいと思ってたら、あんな発想はできない。でも逆に言えば、手塚先生が幸いなことに(笑)、ウォルト・ディズニーをアニメーションでは追ってなかったからこそ、『アトム』ができたといえるのではないでしょうかね。


ということで、杉井は手塚治虫の『テレビアニメ』を評価してはいる。
しかし、こうした評価は別として、アニメの演出家としては手塚治虫は二流だと思ってたみたいだ。


まあ、そりゃ当たり前の話で、アトムが驚くカットで「驚きっぱなしの止め絵でいい」なんていう人が一流の演出家のわけがない。私はアニメの演出とかはよくわからないけど、これが演出以前のレベルでダメだってことくらいはわかる。
この対談のなかで、富野由悠季もやたら不思議がっている。あれだけ映画が好きで、また漫画で才能を発揮した手塚治虫が、なぜ映画(アニメも含めた映像表現の意味)ではからっきしダメだったのかと。


杉井 そもそも僕が東映をやめたのは自分で映画をつくりたいと思ってたからなんで、いまだから言えますけど、映画の演出に関してはね、手塚先生よりも僕のほうがプロだという意識はすごくありましたよ。だから、映画のことを教えるのは僕だと。もちろん、作家としての才能は別ですが(笑)。


富野 いま、ようやくわかった。手塚先生が一度だけ僕のことをほめてくれたことがあるんです。「うん、富野氏のフィルムは品がいいからね」って。その意味が当時は全然わかんなかったんだけど、いまの話で全部わかった。だって僕はフィルムをつなぐときに、先生みたいに杜撰じゃないから。動きの気分を受けて切るとか、アクションカットをどういうときに使うかということは、先生以上にきちんとやったから、それは品よく見えるよと、それだけのことだったわけだ(笑)。


なんか、この二人、ぶっちゃけすぎで、時々インタビュアーが「それはそうだけど、やっぱり手塚先生は偉大ですよね」みたいに話を軌道修正するところがあったりするのがおもしろい。


ついでなんで、もっと、ぶっちゃけてるところがこれ。

杉井 僕にとって手塚先生が後々までいちばん印象的だったのは、『アトム』なんかで、みんなもうメチャクチャに似ても似つかないアトムを描いたりしても、一度も手塚先生が「キャラクターが違う」と言わなかったことなんだよね。いまのマンガ家さんでしたら、原作と違うとか、僕のマンガと違うとか言いますけど、手塚先生は一度も言ったことがないんです。それが不思議でしょうがなくてね。


富野 言われてみればそうだった。


杉井 ただ、それで段々年数がたってきたら、いや、この人はアニメをまじめにやる気はないからなんだと気づきました。さっきも出ましたけど、当時もうマンガで全部、自分の仕事を仕上げてしまっているから、アニメはもう遊びでいいんだと。僕は正直、恨んで言うのじゃないけれど、アニメに賭けていたわけですから、遊びにつき合わされちゃあたまんないよなというのがありましたね。それは言わなかったですけど。


ということで、読んでいて面白かったところだけを抜いてみた。
これだけ読むと、手塚治虫批判ばかりしてるように見えるかもしれないけど、これはあくまで漫画家としての手塚治虫は偉大だという前提をふまえた上で二人は話しているので、そこは誤解しないでください。


(*1)リミテッドアニメ自体は手塚治虫が発明したわけではない。

[関連リンク]

アニメ監督ってなんだ!  ~杉井ギサブロー監督/りんたろう監督~対談

| 書評 | trackbacks:1 | TOP↑

| PAGE-SELECT |

アクセス解析