以前、2ちゃんねるで
「萌えに性的要素は含まれない。萌えというのは、もっと高次元の感情なのだ」
という趣旨のことを書いてた人がいた。
私はこれがずっと妙に気になってた。
まるで、喉元に突き刺さった魚の骨みたいに。
萌えに性的要素は含まれない。
それは本当なのだろうか?
なので、今回、検証してみることにした。
まず、検証するというからには、言葉を厳密に用いる必要がある。
ここは当然ながら「萌え」という言葉の定義について定めなければいけない。
「萌え」の定義。
私はそんなものに興味はない。
というのも、「萌え」という言葉は拡散しすぎてしまっているからだ。
「萌え」は別に二次元のキャラにのみ使われる言葉ではない。
女性アイドルに向かって「○○萌え~」なんて使われているのはよく見るし、甚だしきにいたっては「ローゼン閣下萌え~」なんていう使用すら見たことがある。
還暦過ぎた政治家にさえ使われる「萌え」の定義を定めるなんてことは虚しいだけだ。
というのも、言葉の定義というのは、「言葉の正しい使いかた」を提示するとともに、それに反するものを「間違った使いかた」として排除するものだからだ。
「萌え」はそれぞれの人がそれぞれの使いかたをしてるんだから、私がとやかく言うことではないだろう。
だいいち、「萌え」の定義を定めたところで、何かいいことが起こるとも思えない。
だから、そんなものはどうでもいい、のである。
ということで、この文章のなかの「萌え」はあくまで私自身の感じる「萌え」に限定させていただく。
つまり、この文で検証するのは「私自身が萌えるキャラに、私自身が性的要素を感じているか」ということである。
えっと なんか もう それは 検証とは 呼べない気がする よ
だけど、そこらへんはあまり気にしないことにして、検証を進めたい。
あくまで自分自身の感情のみの「検証」ではあるが、これも検証は検証なのだ。
さて、ということで私自身が「萌える」キャラをランダムにピックアップしてみた。
これは、かなり適当に選んでみたので、自分自身の「最萌え」というわけではない。
いわば実験材料みたいなもんである。
それで私が萌えたことのあるキャラがこちら。
藤岡ハルヒ(桜蘭高校ホスト部)
真紅(ローゼンメイデン)
鴇羽舞衣(舞-HiME)
テレサ・テスタロッサ(フルメタル・パニック)
綾波レイ(エヴァンゲリオン)
カミナギ・リョーコ(ゼーガペイン)
大阪(あずまんが大王)
瀬戸燦(瀬戸の花嫁)
カレン(コードギアス)
数えてみたら9人だった。
なんつーか、どうも、自分が萌えたキャラを発表するのって、意外に恥ずかしい。
自分の底が見透かされているような気分になる。
しかし、そんなところで乙女のように恥ずかしがっていてもしかたがないので、論を進めたい。
それで問題は、この9人に私が性的要素を感じているのかどうか、ということである。
「性的要素」というとちょっと分かりづらいので、ここはもっと直截的に「性欲を感じているかどうか」ってことに変換しておく。
しかし、この判別がかなりむずかしい。
というのも、人間の感情のどこからが性欲とみなしていいものなのか、私にはよくわからないからである。
たとえば、年頃が小学生くらいのかわいい女の子を街で見かけたとしよう。
かわいい女の子なので、私は「かわいい」と思う(変な日本語)。
さて、この小学生女子を「かわいい」という私の感情に、性欲は含まれているのだろうか?
このかわいい女子小学生をすぐさま拉致って、家に監禁し、自分の人肌のミルク、というか、いつも人肌のミルクをお腹いっぱい飲ませたい、飲ませてあげたい、いや、飲め!、、、、、とは別に思わない。
はっきり言ってそれは犯罪だし、はっきり言わなくてもそれは犯罪だし、さすがにこんなことを考えているわけではない。
こういう意味合いで私の「かわいい」という感情が生まれているわけではない。
しかし、本当にその「かわいい」に性欲が含まれていないのか、と聞かれると、ちょっと言葉に詰まるのである。
というのも、人間というのは大概のものを性的に見てしまえるものなのだ。
たとえば、父親が娘をかわいいと思う、そういう感情のなかに性的なものは含まれていないのか?
父親の娘を見る慈愛に満ちた眼差しにも、性的なものは混入しているのかもしれない。
たしかに、それはそうなのだ。
つまり「性的」だとか「性欲」という言葉の範囲はどこまでも拡大することができるのである。
しかし、父親の娘に対する感情にたとえ「性欲」が含まれていたとしても、実際に娘と性交に及ぶ父親はごくごくわずかである、というのもまた事実だ。
だから、自分の感情にたとえ性欲の影があったとしても、その感情を性欲以外の何物でもない、と断言するのは愚かしい。
ということで、ここは具体的に物事を考えることにする。
上であげた9人の萌えキャラ。
彼女らに私が性欲を感じているのかどうか、それを判別するのはもっと具体的な欲望で判別されるべきなのだ。
つまり、判断する基準はこうだ。
「そのキャラのエロ同人誌を見たいかどうか」
これだ!!!
この判断基準であれば、かなり明快に答えることができるはずである。
ということで、以下は上の萌えキャラのエロ同人誌が見たいかどうか、という私の具体的な欲望について検証してみたものである。
藤岡ハルヒ(桜蘭高校ホスト部)
[見たくない]
はっきり言って、藤岡ハルヒのエロには嫌悪感がある。
生理的に受け付けない。
もう一人のハルヒ、涼宮ハルヒについては言及しない。
実は、次回もエロ記事の予定なんだけど、そこで涼宮ハルヒの話を書くので。
真紅(ローゼンメイデン)
[ものすごく見たくない]
これは、もう無理。
道徳的な観点から拒否反応を示しているのではなくて、真紅のエロははっきり言って気色悪い。
吐き気がする。
綾波レイ(エヴァンゲリオン)
[見たい]
というか、もう既に何冊も読んでる。
なので、いまさら「見たい」とか「見たくない」とかの話ではないんだけど。
ところで、いままでエロ同人誌で最も描かれたキャラって誰なんだろう。
そんなのは誰にもわからないだろうけど、綾波、アスカの二人は確実にトップ10に入ってるんじゃないだろうか。
今度、CDTVとかでやってくれないかなあ。
こういう企画。
鴇羽舞衣(舞-HiME)
[見たい]
真紅に鴇羽舞衣なんて出すと「不人気の主役キャラが好きなのか」とか思われそうで、なんか心外。
おっと、エロの話。
鴇羽舞衣×エロ=全然オッケー
嫌悪感もまったくない。
なんなら、陵辱ものとかでもイケる。
テレサ・テスタロッサ(フルメタル・パニック)
[見たい]
私はロリキャラは受け付けない体質なんだけど、テッサであれば大丈夫。
って何が大丈夫なんだか知らんけど。
カミナギ・リョーコ(ゼーガペイン)
[保留]
えっと・・・、これは。
判断が難しい。
見たいような、見たくないような、自分でも感情が上手くつかめない。
だけど、実際に見てもあまり嫌悪感は抱かないような気がする。
大阪(あずまんが大王)
[積極的に見たくない]
私が皇帝だったら、大阪のエロ同人誌は焚書にすると思う。
幸か不幸か、私には皇帝になる方法がよくわからないので、今のところ焚書にはなっていないが。
瀬戸燦(瀬戸の花嫁)
[保留]
カミナギと同じく、これもよくわからない。
欲望というのは不思議なもので、それが目覚めなければ自分自身にも欲望と認知されなかったりする。
だから、これは単に欲望が目覚めてない状態なのかもしれない。
ただ、
瀬戸燦×エロ
にそれほど嫌悪感は抱かないとは思うけど。
カレン(コードギアス)
[見たい]
これは素直に見たいと思う。カレンのエロ同人誌。
いや、実際に読んだことあるんだけど。
実は私はC.C.のほうが好きだったりするんだけど、不思議とC.C.のエロは見たくないような気がする。
うーん。なぜだろう?
乳の大きさかな。
[検証結果発表]
ということで、検証してみたところ、
[見たい] 4人
[見たくない] 3人
[保留] 2人
という結果だった。
こうやって見ると、意外に[見たくない]が多い。
実は、この検証をしてみる前はこう思ってた。
「萌えに性的要素が含まれないなんてそんなバカなことがあるか。バリバリ含まれるわ、ボケぇ」って。
しかし、実際に試してみると、どうしても性欲が向かっていかないキャラが3人いた。
藤岡ハルヒ 真紅 大阪
しかも、この3人にエロを絡められると、相当な嫌悪感があったりする。
なるほど。
これは確かに「萌えに性的要素は含まれない」という言い方もアリなのかもしれない。
その人の「萌え」という感情の有効範囲によっては、たしかに性的なものが含まれてない場合があるのだろう。
[性欲を向けられるキャラとそうでないキャラの違い]
エロ目線で見ても平気なキャラとそうでないキャラがいるんだけど、この感情の違いはどこから来ているんだろう?
ちょっと考えてみた。
思いいれが強いキャラのエロは見たくない、っていう感情はかなり理解されやすいものだろうと思う。
実際にそういう人は多いのかもしれない。
とても好きだから汚したくない、みたいな。
しかし、とりあえずそれは私自身にはまったく当てはまってない。
というのも、上の9人のなかで最も思いいれが強いのは「綾波レイ」だからである。
「○○は俺の嫁」という言い方を借用すれば「綾波は俺の嫁」だ。
しかし、その嫁でヌキまくった経験が私にはある。
だから、思いいれの強さがエロを阻害する理論は私には通用しない。
それでは、どこでエロOKとエロNGの区別をしているのだろう、私は。
まず、その判断基準の一つにはすぐ気づいたんだけど、要するに「胸の大きさ」。
それが胸の大きなキャラだと、性欲のピストルを向けるのに何のためらいもない。
カレンに鴇羽舞衣が、その典型。
だけど、これが胸の小さなキャラだと、かなりためらってしまう。
ただ、この判断基準は個人的な性癖によるところ大なので、どうでもいいと思う。
次に気づいたのが作品ごとに、エロOKとエロNGを分別してるってこと。
たとえば、エヴァンゲリオン。
綾波をエロ目的で使用できるのはもちろんだが、エヴァに出てくる他のキャラも私は同様にエロ使用することができる。
アスカ、ミサト、リツコ、マヤ、すべてエロ使用が可能なのである。
これは、舞-HiMEも同様で、鴇羽舞衣、玖我なつき、藤乃静留、ここらへんはエロ使用することができる。
ただ、美袋命はちょっと無理かもしれないけど。
次に、ローゼンメイデン。
真紅がエロNGなのはすでに書いたとおりだが、他のローゼンメイデンたち。
水銀燈、翠星石、蒼星石、金糸雀、雛苺。
みんな性的な対象としては見ることができない。
ローゼンメイデンは容姿がアレだから特殊例だとも言えるけど、それなら、あずまんが大王。
あずまんが大王に出てくる、大阪以外のキャラも性的対象にならない。
ちよちゃん。いやいやいや、アリエナイ!
ちよちゃんがアリエナイのは当たり前にしても、その他の榊、とも、よみあたりも全部ダメ。
性的対象として見ることができない。
二人の女教師。
これも無理。
だけど、よくよく考えたらこの二人の女教師、谷崎ゆかり、黒沢みなもは年齢も高いわけだし、性的対象になりそうなもんである。
というか、これは積極的に性的対象として見るべきだ、とすら言える。
しかし、そういう目で見ることにどうも嫌悪感がある。
こうした嫌悪感が道徳的な規律から導き出されたものではないことは明らかだ。
だって、自分が性欲向けまくってる綾波って14歳だし。
いや、綾波に年齢は関係なかったりするか。
それじゃアスカでもいいや。
アスカを性的対象として見ることに私は何の逡巡も覚えてない。
だから、これは道徳に拠るものではなく、もっと別の基準で判断しているらしい。
・エヴァンゲリオン、舞-HiMEはほぼ全てのキャラをエロ使用することができる。
・ローゼンメイデン、あずまんが大王はほぼ全てのキャラをエロ使用できない。
これは、つまりその作品がエロをチラつかせているかどうか、ってとこで判断が分かれてるらしい。
たとえば、舞-HiMEは一話目からこんなシーンがあったりするし。
こんなふうに「エロ」という撒き餌をばらまいてるような作品だと安心して、エロ使用できるらしい、私の場合。
エヴァだって、その手のエロ撒き餌は十分にまかれている。
シンジが綾波を押し倒してしまうところ、とか。
一方、ローゼンメイデンのように、エロ要素が限りなくゼロに近いものだと、エロ使用することに嫌悪感を覚える、そういうことらしい。
(PEACH-PITがローゼンメイデンに性的要素を入れないように気を使っている、みたいな文章をどっかで読んだ記憶があるんだけど、調べてみたら見つからなかった。記憶違いしてたのかなあ)
つまり、作り手の側が「これ使ってヌイていいですよー」っていうメッセージを発しているような作品だと、安心してヌイているってことか。
いや、「ヌイていいですよー」とは言ってないだろうけどさ。
今回、取り上げた中だと、フルメタル・パニックとかもそう。
これもテッサのみならず、千鳥かなめのほうもエロ使用することができるからなあ。
なんだか、こう考えてみると、自分自身がエロという意味ではまったくの凡人であることに気づく。
要するに、作り手の意思の範囲内でしかエロ妄想を膨らませることができていないのだ。
許可されたところでしか、エロ妄想できない、っていう。
私のようなエロ凡人に比べると、エロ達人はさぞかしスゴいのだろうなあ。
エロ達人。
なんだ、それ。
エロ禁止の広場で傍若無人にエロの花を咲かせることができる、それがエロ達人。
ちびまる子ちゃんのまる子、果ては日本むかし話のおばあさんでもヌケる。
たぶん、そういうのがエロ達人。
エロ達人か・・・・・。
なりたかねェな、そんなもんには。
[結論]
萌えに性的要素は含まれない、という言い方にも一理あるように感じたってのは文中で書いたとおり。
だけど、やっぱり、これは無理がある。
だって、これだとエロゲーのキャラには「萌え」って使えないことになってしまうから。
萌えの定義なんてどうでもいい、ということを冒頭で書いたけど、確かにそんなものはどうでもいい。
だけど、さすがにエロゲキャラに萌えという言葉を使えないってのはありえないだろう。
かといって、萌えに性的要素は含まれると断言することができないのもまた事実ではあるけど。
*なんか、今回の文章は中間部分をばっさり切ってしまえば、10行くらいで終わったような気が・・・・・。