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ジョジョのなかで最強なのはカーズ!異論は認める

私はジョジョの奇妙な冒険のなかでいちばん強いのはカーズだと思っている。


OK。
君が何を言いたいのかはわかってる。
「んなわけねーだろ、このバカ!」
そう言いたいんだろ。


たしかに、実際に戦えば、3部のディオのほうが強いだろう。二人とも、漫画のキャラだっていうのに「実際に戦えば」ってのは変な話だけど、実際に戦えば、たぶんそうなるはずだ。


だけど、「カーズがいちばん強そう」と思ってるのは自分だけじゃないんじゃないか、って勝手に私は思っている。
てなわけで、今回はなぜ「カーズがいちばん強そう」なのか、っていう話。


ドラゴンボール型とジョジョ型

これは、ちょっと前に読んでおもしろかった記事。

ジョジョやある時期からのハンターハンターの様な「能力バトル漫画」では、インフレ展開が基本的に起こりにくい。多分理由は幾つかある。

・能力バトル漫画の面白さの肝は、「能力の特殊性」「特殊な能力がどう活躍するか」にある。
・よって、作者は「能力の特殊性」を描写しなくてはいけない。つまり、特殊な能力と、その能力が活躍する為の舞台を考えなくてはいけない。
・必然的に、「パワーの数値的な強弱」だけで勝負を成立させることが出来ない。「何故その能力が勝ったか」の理由づけを考えなくてはいけない。

能力系の漫画がインフレしにくい理由。 - 不倒城

さすがだなあ、この人は、とやたら感心した。こんなことは考えたこともなかったので。


この記事はドラゴンボールはなぜインフレするのかという記事(ドラゴンボール的「転回」とウルトラマンの関係。)を受けて書かれているんだけど、バトル漫画をドラゴンボール型とジョジョ型みたいに分けてみると、おもしろいんじゃないかと思った。
一回、分類してみると、いろんなことが説明しやすくなるような気がする。


たぶん、不倒城さんのおっしゃってることとは、ズレてしまうのでもうしわけないんだけど、乱暴にそして単純に定義してみるとこんな感じ。


ドラゴンボール型
キャラの強さが同一線上で表現される。インフレが起こりやすい。


ジョジョ型
それぞれに特殊能力を持っていて、単純に強弱を表現していない。頭脳戦になりやすい。インフレが起こりにくい。


ドラゴンボールで印象的なのがスカウターっていう道具で、要するにアレは、強さというものが、同一線上で比較可能だという発想に基づいてる。そういえば、キン肉マンでも強さを数値化して示していたっけ。


一方、ジョジョでも強さが数値化されて示されてるところがあるんだけど、ドラゴンボールみたいに単純なものじゃない。
たとえば、第5部の主人公、ジョルノ・ジョバァーナのスタンド能力はこんなふうに示されている。

ゴールド・エクスペリエンス(黄金体験)
【破壊力 - C / スピード - A / 射程距離 - E(2m) / 持続力 - D / 精密動作性 - C / 成長性 - A】



ジョジョでは強さというのは、複合的で、そしてあいまいな概念だ。


ちょっと話はズレるけど、UFC、また後継のプライドといった、何でもありの総合格闘技というものはもともと「最強の格闘技は何か?」「最強の格闘家は誰か?」といった問題意識から発生していた。
まあ、UFCはグレイシー柔術の宣伝の場として始まったのは確かなんだけど、それが支持されたのは「最強が何であるのか知りたい」という強い動機が格闘技ファンの側にあったからだ。
しかし、歴史を積み重ねるにつれ、あきらかになったのは「最強なんてものはどこにも存在しない」という逆説的な真実だった。
強さというものは、あくまで、物事の一面を切り取ったものでしかない。ある条件下では強いものがある条件下では弱くなる。
たぶん、これはほとんどの格闘技ファンの共通認識だと思う。


だから、強さというものが同一線上で表現されることには、個人的には多少の違和感があったりもするんだけど、これは漫画という表現物での話なので別にかまわない。事実、ドラゴンボールもキン肉マンもおもしろいわけだし。


ドラゴンボールでの強さのインフレということを考えると、重要なのが「修行」という要素なんじゃないかと思う。
頭脳戦を描かない以上、強敵に勝利する、つまりは強敵よりも強くなっていることを読者に納得させるためには、修行という、主人公側の努力と時間的経緯を描くしかない。
ドラゴンボールのなかで、いったい何回修行シーンが出てきたっけ?何回かはわからないけど、とにかくいっぱい出てきた。


このドラゴンボール型ジョジョ型というのは、あくまで抽象化したものだ。つまり、細かな部分は無視してるってこと。


だから、もちろん、ドラゴンボールにもジョジョ型の要素はあるだろうし、また、ジョジョにもドラゴンボール型の要素はあるだろう。
というか、ジョジョの奇妙な冒険の1部と2部は、これをジョジョ型と呼んでいいのだろうか?ジョジョがジョジョ型じゃない、ってのも変な話だけど、2部までに関しては、かなり、ドラゴンボール型の要素が強いように感じられる。


ジョジョの奇妙な冒険 (6) (ジャンプ・コミックス)
ジョジョの奇妙な冒険 (6) (ジャンプ・コミックス)


1部、2部でもたしかに頭脳戦で勝利をつかむ、という形が多いし、その点はたしかにジョジョ型だ。


だけど、味方側のキャラにはそんなに特殊能力がつけられてはいない。シャボン玉で戦うシーザーなんかもいるけど、シャボン玉とかそれ以前に、みんな「波紋」という共通した能力を使ってる。
つまり、味方側のキャラに関していえば、強さが同一線上で表現されているといっていい。
一方、敵側と味方側では能力の断絶があるわけで、どっちが強いかというのはなかなか言いにくいんだけど、とりあえず敵側キャラの間では強弱というものは同一線上で示されている。
そして、3部以降では見られなくなった「修行」が1部、2部ともに行われている点も注目に値する。ジョナサンもジョセフも修行をすることで成長している。つまり、努力と時間経過を強さの根拠としている。


ジョジョがジョジョ型になったのは、3部からなんじゃないかと思う。スタンドという発明がジョジョの奇妙な冒険という漫画をジョジョ型にしたのだ。


2部までがジョジョ型じゃないんじゃないかとする根拠は他にもある。
強さがハイパーインフレを起こしている点だ。


まず、1部のラスボスは吸血鬼のディオ。→2部の冒頭で吸血鬼はサンタナの食料に過ぎないことが明らかにされる。→そのサンタナはカーズ、エシディシ、ワムウの足元にもおよばない。→赤石によって、カーズは究極生命体と化す。もはや、波紋も通じない。


こんなふうに強さがすさまじいまでのインフレを起こしていて、これは3部以降ではあまり見られない現象だ。もちろん、ラスボスがいちばん強いのはどれでも同じだけど、さすがに、ここまでじゃない。


こうしてみると、なぜ、自分がなぜカーズをいちばん強そうに思っていたのかは明白だ。
2部までのインフレバトルの頂点に立っているのがカーズだからだ。
他のラスボスは他者との比較対照によって強いのではなく、あくまで自分の特殊能力によって強いので、カーズほど最強なわけではない。
まあ、実際戦ったら、負けちゃうんだろうけどさ、カーズ。


だけど、ジョジョって2部までで、ドラゴンボール型のインフレバトルをやりつくしちゃってるんだなあと思った。「波紋と吸血鬼」という図式では、もうアレ以上の強さというものは絶対に描けないだろうし。


[追記]

ドラゴンボールのキャラが強くなりすぎてしまう理由
すっかり忘れてたけど、そういえば、昔ドラゴンボールのインフレについて書いてた。

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