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いろんな意味でサービスシーンが豊富だったーコードギアスR2簡易感想

本当はトラブルについて書こうかと思ってたんだけど、コードギアスR2第一話見ちゃったら、むやみやたらに興奮してきたので簡単ながら感想など。


一言で言えば面白かった。
ああ、この飛ばし方がコードギアスだなあって、ちょっと懐かしく感じた。
(見てない人のためにネタバレしておくと、ルルーシュが記憶喪失になってました。あっという間に、記憶回復したけど)
たとえば、この前までやってたガンダム00が、良くも悪くも生真面目なところを捨て切れなかったのに対して、コードギアスってそういう書生的な生真面目さをきれいさっぱり捨て去ってるところがいい。
簡単に言えば、ガンダム00をネタにして現実の政治を語ることはできるけど、コードギアスで政治を語るとバカだと思われると。そういうことだ。
コードギアスみたいなのは結局のところ乗れたモン勝ちなんじゃないかと思う。
コレを楽しめたほうが、ずっと人生、楽しいっていう意味で。



あ、それとサービスシーンも無駄に充実してた。深夜帯から移ってきたくせに、前よりずっとエロ路線になってるのが素敵すぎる。


codeiti001.jpg

この後ろ姿はまさか・・・。



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やっぱりカレン(なぜかバニー姿)。



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ブリタニア人のオッサンによくわからないいいがかりをつけられ、髪を引っ張られるカレン。



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苦悶の表情のカレン(バニー)。




codeiti006.jpg

「顔を見せてくれないか。う~ん、いい商品だ」
「(私は)売り物じゃない」とあらがうカレンに対して「売り物だよ」と答えるなど、田嶋先生が聞いたら卒倒して、ついでに生理が戻ってくるんじゃないかと思われる素敵センテンスを連発するブリタニアのオッサン。
こいつ、この後すぐ殺されてた。殺されて当たり前だ、人の嫁に失敬な!


正直なところ、トラブルのララの裸(without乳首)を見られるよりも、バニーのカレンを見られるほうがずっとうれしい。
まあ、それはララの裸なんて見飽きるほど見てるから、っていう、「需要と供給」的理由があるわけだけど。


こんな感じでサービス精神が過剰なくらいで、とても面白かったんだけど、唯一、不満点と言えば、オレンジレンジのOP曲がイマイチだったことくらいかなあ。
オレンジレンジって、テレビ、ラジオとかでしか聞いたことがないんだけど、私は「ポップなミクスチャー系ロック」という印象を持ってた。
いや、まあ、これはそのまんまなんだけど、この「ポップ」という意味合いは色んな意味を込めて使ってるのだ。
そのポップの意味合いについて語ってしまうと長くなってしまうし、またこの記事の内容にそぐわないのでやめておくけれども、このバンドってもっとポップセンスがある人たちだと思ってた。
つまり、それなりに評価してたんだけど、今回のOP曲ははっきり言ってイマイチ。
ボンヤリした印象しか残らない。
2ちゃんとか見てると、そう思ってるのは自分だけじゃないみたいで同じ意見が散見されるけども。

↓これは2ちゃんのスレから。


OPそこまで悪いとは思わんな。EDは微妙だが。
ジンのがマシとか言われまくってるが・・
耳おかしいのかな、俺。心配になってきた。

ジンというと、FLOWに次いで、コードギアスのOPを担当したはいいものの、その曲がサビのところで「強姦だァァァっ!」って聞こえたりし、あまりに日本語が聞き取れないもんだから「これはいったい何ていう曲だ」と思ってクレジット見ると、曲名が「解読不能」だったりして「お前の曲が解読不能だっての」と爆笑してしまった、アレか。
オレンジレンジはさすがにジンよりはマシだと思うけど、確かにそんなによくはない。
コードギアスのOPとしては、結局のところ最初のFLOWがいちばんよかった。
個人的には、FLOWってアニソン向けとしては極めて優秀なバンドだと思うんだけどなあ。
音のつくりとしては、それなりに洒落てるんだけど、どこかドメスティックな安心感がある。
そこが素晴らしくアニメ向きだと考えるんだけど。
(端的に言うとアニメ向きの音楽はちょっと遅れたもののほうがいいってこと。そっちのほうが、なぜか愛着が持てる)
エウレカセブンのOPもすばらしかったことだし、ロボットアニメのOPは全てFLOWに依頼すればいいのに。


それはともかく、とりあえず一話目を見た限りでは不満点はそこだけで、あとは満足。というか、かなり興奮して見てたんで、あまり細かいところまで見てないけど。


それから、最後になるんだけど、2ch見てたら、これが気になった。


129 :風の谷の名無しさん@実況は実況板で:2008/04/06(日) 21:17:05 ID:/Tr7lXgY
OPの中華4人のバックに写るナイトメアが史上最悪にダサすぎるwwwwwwwwwwwwwwwwww



自分はぜんぜん気がつかなかったので確かめてみると・・・








codeiti004.jpg
これか。




codeiti007.jpg

これか!


友人のガノタに、ガンダム以外のロボットアニメに出てくるロボットはほとんど全て「デザインが格好悪い」とケナすヤツがいる。
私はいままで「ガンダムが好きなのはわかるけど、ランスロットとか紅蓮とか結構よくない?」と同意を求めてきたんだけど、彼はほとんど聞く耳をもたず非常にいらだたしい思いをしてきた。
そんなコードギアスびいきの私でも、さすがにこれはどうかと思うな。
うん、どうかと思う。
なんか「LEGOでこんなの作ってみました」みたいな感じがするんだけど。


B000GI425Uレゴ マインドストーム NXT
レゴ 2006-10-15

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[関連記事]「巨乳=バカ」説をアニメで検証してみた(1)コードギアス、スクラン



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美少女も時に迷惑なことがある-撲殺天使ドクロちゃんがクソおもしろかった

最近、撲殺天使ドクロちゃんっていうアニメを見たんだけど、これが面白かった。というか、おもしろすぎた。
今までこのアニメを見ないでいたってのは確実に人生の何割かを損していたんだなあ。
損していることにすら気づかないまま、人生を過ごすところだった。あぶない、あぶない。


[ストーリー]
どこにでもいるごく平凡な一人の中学二年生、草壁桜の前にある日突然現れたのは、自らを天使と称するロリロリ美少女、ドクロちゃんであった。
それからというもの草壁桜の生活は一変、ドクロちゃんのせいでめちゃくちゃになってしまう。そしてついに天使の少女は桜くんが通う『聖ゲルニカ学園』にまで、ついてきてしまうコトに。(公式サイト)



こんなふうに、ある日とつぜん、美少女につきまとわれることになって、主人公(男)が迷惑がってるっていうパターンはよくある。
古くはうる星やつら、最近だとハルヒとか。
ああいうのって、主人公は「迷惑だ、迷惑だ」言って不快がってるけど、読んでるこっちとしてはそれがぜんぜん迷惑に見えない。
というか、そんなふうに美少女につきまとわれるなんてうらやましくて仕方がねーぞ、コノヤローって、いつも思う。

このアニメでも、そのパターンがくりかえされ、主人公の


dokuro011.jpg

草壁桜は




dokuro016.jpg

ドクロちゃんのことをたいへん迷惑がっている。



ある日、いきなり美少女と同居という萌えアニメの文脈にのっとっているにもかかわらず、このドクロちゃんだけは、さすがに迷惑だと思った。
なぜかというと、



dokuro017.jpg

偶然、着替えを見てしまったら、





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撲殺される。





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後ろにお化けがいる、と軽い気持ちで驚かせたら、



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dokuro004.jpg

ロープに振られ、



返ってきたところを

dokuro005.jpg
dokuro006.jpg

撲殺される。


こんなふうに、主人公は毎回、毎回、撲殺されてるわけで、さすがにこれはまったくもってうらやましくない。
美少女につきまとわれる男に、同情を寄せることができたのは生まれて初めて。


このアニメは、こういう撲殺とかの残虐ネタ、


dokuro007.jpg

エロネタ(風呂に一緒に入ったらなぜかローションをかき混ぜ始めるの図)などの下品なギャグでいっぱいなんだけど、この笑いの感覚っていかにも中学生っていう感じがする。
実際、このアニメの登場人物は中学生なんだけど、そういうことじゃなくて、笑いのセンスが中学生的ってこと。


中学のときに、同級生にどこにでもマ○コマークを書いては喜ぶヤツがいたんだけど、中学生ってそういう禁じられたものを侵犯することが楽しい年頃なんだと思う。
今まで、自分たちの目の前から隠されていたものをむりやり暴いてみせること。
その侵犯行為じたいを面白がってしまうっていう。
もっとも、ウチの中学(公立)は普通に学級崩壊とかしてたようなところなんで、そういう中学生像はあまり一般的ではなかったりするのかもしれないけど。
音楽室なんかは、ほぼすべての机にマ○コマークが書き込まれてたから。
そういう(自分にとっての)中学生的なハチャメチャさがこのアニメにはあって、そこが大好き。


それと、全体的にとてもよく動いてる。


dokuro013.jpg
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ギャグアニメ的にデフォルメされていたりはするんだけど、視覚的に引っかかりを感じさせる映像になってて、退屈しない。


dokuro010.jpg


また撲殺シーンを静止させてみると、こんなふうに飛び散る内臓、眼球まで書き込まれてたりもするし(普通に見てたら、こんなに書き込まれてることにはまず気づかない)。
それに、2(セカンド)のほうだとヤマカン演出の回もあったりする。
下品なギャグをこんなに豪華に?っていう、資源の無駄遣いというか、労力の無駄遣いも愛さずにはいられないポイント。



また、エロギャグが多いこともあって、声優がエロセリフ言わされてるのも、そのスジの人にはたまらんところかも。
能登麻美子が「(恥じらいながら)前立腺」って言わされてたり、


dokuro012.jpg

釘宮理恵のセリフに「このままじゃ今夜は熱くて、火照って、切なくて、眠れないかもぉ」ってあったりとか。


ちなみに、このアニメのなかでいちばん好きなシーンは、サバト(釘宮理恵)が廊下でバケツにけつまづいてスベり、



dokuro015.jpg


「つべたいですぅ(冷たいです)」って言うところ。

ここが、ありえないくらいかわいい。
どれくらいかわいいかって言うと、ここの部分を録音して、宇宙探査船に積み込んで、まだ見ぬ宇宙人へのメッセージにしたいくらいかわいい。
宇宙人も「つべたいですぅ(冷たいです)」っていうメッセージ送られたところで、なんのこっちゃワケわからんとは思うけど、なにかしら伝わるものがあるんじゃないかと思う。


また、このアニメのOP曲は電波ソングとして有名らしいんだけど、たしかにこれは一回聞いたら耳にヘドロのように残る。
ついつい「撲殺天使ぃ、血しぶきドクドク、ドクロちゃ~ん」って口ずさんじゃってたりして、最近、周りから非常に気味悪がられてる、そんな毎日です。


B000A869SY撲殺天使ドクロちゃん 4(通常版)
千葉紗子 高木礼子 釘宮理恵
ジェネオン エンタテインメント 2005-09-22

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ヤンキーファッションは学ランでしか成立しない

先週の金曜日だったかな?
夕方のニュース見たら、その最初に、福岡の中学校が荒れてる、っていうのをやってた。
その荒れているという中学校の卒業式をテレビは取材してた。

↓ ここに出てるのと同じやつ。

「何撮ってんだ」「取材するちゃ、100万年はええぞ」とマイクを奪って歌いだす …放尿・授業妨害で逮捕者が出た田川の中学生ら

最初のニュースだから、トップニュースってことになるんだろうけど、はっきり言って、こんなのにたいしたニュースバリューがあるとも思えない。
生徒が逮捕されたらしいし、校長と教頭が心労でダウンした、とも伝えていたが、しょせんはその程度の話であって、そうたいしたことじゃない。
だから、これをトップにもってくるという、テレビ局の判断は間違っているともいえるのだけど、その映像を見ると、これをトップにしたがる気持ちというのはたしかに理解できる。

だって、このヤンキーファッションが面白くてしかたないんだから。

短ランにボンタン、しかもリーゼントっていう、もはや絶滅したと思われていたものが、いまだに存在していたことの不思議。
文化というものが、ある地域で隔絶したまま生き残ることがあるのだという事実がたまらなく面白い。
この地域ではずっとこうしたヤンキー文化が継承されていたのだろうか?
それとも、昔のヤンキー漫画とかの影響なのだろうか?

しかし、これを見て思ったんだけど、やっぱ、ヤンキー文化ってのは、学ランじゃなきゃなりたたないなと。

たとえば、今、マガジンで連載されてるこの漫画。

ヤンキー君とメガネちゃん 4 (4) (少年マガジンコミックス)
ヤンキー君とメガネちゃん 4 (4) (少年マガジンコミックス)

タイトルにヤンキーとついてるものの、これがヤンキーってのはどうもピンとこない。
それがなぜかというにこれは制服がブレザーだからだ。
だから、ヤンキー性ってのが、ネクタイを崩してるとかの瑣末なところでしか表現されてない。
髪型とかも、普通だし。

それに比べて、

[完全版エクストラ] ろくでなしBLUES 1
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俺たちの好きなBE-BOP-HIGHSCHOOL―ツッパリ青春漫画の傑作と80年代ヤンキー伝説
俺たちの好きなBE-BOP-HIGHSCHOOL―ツッパリ青春漫画の傑作と80年代ヤンキー伝説

カメレオン 成田心中編 (プラチナコミックス)
カメレオン 成田心中編 (プラチナコミックス)

もろヤンキーって感じがする。
これこそヤンキーっていうか、これじゃなきゃヤンキーとは呼べないというか。

ヤンキー文化ってのは、正当なもの(制服)に対するずらしであると同時に、一種の様式美だ。
いや、まあ美であるかどうかは、各人の判断におまかせするけど、やっぱ様式ってのはヤンキーにとって大事なもの。
その様式美ってのは、学ランでしか表現できないたぐいのものなんだろうなって思う。

ヤンキーが絶滅しちゃったのは、ブレザーでそうした様式美を作り出すことができなかったためではないだろうか。
ブレザーだとリーゼントもいまいち相性が悪い気もするし。

この中学校がヤンキーを撲滅したいのならば、今からブレザーにするか、それとも私服にしちゃえばいいんじゃないでしょうか?
たぶん、それだけで、相当変化があるような気はするけど。

[関連記事]
オススメのヤンキー漫画は?

しかし、ヤンキー漫画ってのも、絶滅寸前だなあ。

それと、どうでもいいことなんだけど、ヤンキーがマスクしてるのって何の意味があるんだろう?
マスクといっても、普通のマスクから、鳥のくちばしみたいなマスクまであるわけだけど、あれはどういう文化的変遷をたどってきて、そこにたどりついたもんなんだかよくわからん。




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庵野秀明は風呂に入らない、カート・コバーンも風呂に入らなかった・・・・

4396763530監督不行届 (Feelコミックス)
安野 モヨコ
祥伝社 2005-02-08

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今さらにもほどがあるんだけど、この本を読んでみた。
いやー、これ、とても面白かった。

2002年に庵野秀明と結婚した安野モヨコが夫婦の日常を描いたマンガ。
車に乗ればアニソン、特撮主題歌の入ったCDを延々かけ続ける、部屋はDVDとフィギュアで埋め尽くされてるという夫。
そのオタクっぷりに呆れつつも、次第に慣れ親しんでしまってる、というか慣れ親しまざるをえない妻ってのが妙におかしい。

抵抗してストレスをためるより、なじんだほうがラク・・・・ということに気づきました(車内で一緒にアニソン合唱しちゃったあとの安野の述懐)


このマンガのなかでは、庵野は「カントククン」というキャラとして描かれているんだけど、このカントククンのキャラがかわいい。
オタクであることに無邪気で、純真。
そこが、なんとも愛らしい。
たとえそれがキャラ化して描かれているものだとしても、まさか、庵野秀明という人物を「かわいい」などと思ってしまうことがありうるなんて思いもしなかったよ。

もちろん、夫婦なんてのは、どれだけ仲がよかったにしても、各種のいざこざがあったりするもんだし、この本のなかで描かれているのは、夫婦生活の一面を極大解釈してみせたものだくらいはわかっている。
生々しい現実をフィクションとして昇華させるために、二人がキャラとして描かれているんだろうし。
しかし、そんなところでの読みとりかたはどうでもよくて、実際、私はこの夫婦にとても好感をもっちゃった。

嫁さんは巷ではすごく気丈な女性というイメージが大きいとは思いますが、本当のウチの嫁さんは、ものすごく繊細で脆く弱い女性なんですよ。つらい過去の呪縛と常に向き合わなきゃいけないし、家族を養わなきゃいけない現実から逃げ出す事もできなかった。ゆえに「強さ」という鎧を心の表層にまとわなければならなかっただけなんです。心の中心では、孤独感や疎外感と戦いながら、毎日ギリギリのところで精神のバランスを取っていると感じます。だからこそ、自分の持てる仕事以外の時間は全て嫁さんに費やしたい。そのために結婚もしたし、全力で守りたいですね、この先もずっとです。(巻末の庵野秀明のインタビュー)

人ののろけ話はあまり聞きたくはないもんだけど、なぜか許せるのが不思議。

ところで、この本のなかに庵野秀明は風呂に入らないというエピソードが出てくる。

なにしろ自分のアパートの風呂は壊れて使えなかった、カントクくん

銭湯には週1,2回・・・・・(行けばいいほう)

洗たくなどはするわけもなく

洋服もボロくなるまでずっと着て、汚れたら捨てていた

つき合いはじめの頃、カントクくんの部屋を片づけていたら「捨てた」パンツがゴミ袋4個分あった・・・・


これを読んで、ニルヴァーナのカート・コバーンも風呂に入らなかったっていうエピソードを思い出した。
1ヶ月に1回しか風呂に入らず、毎日風呂に入る奴をバカにしてた、っていうカートのことを思い出した。
不潔な人間が清潔な人間を見下す、という心理があることを、私はカート・コバーンの件で初めて知り、驚いたもんだ。
どうもキリスト教には「体を清潔にしているのは異性を誘惑していることだ」みたいな感覚が昔あったらしく、そこから隔世遺伝みたいな形で受け継がれていったもんかもしれない。
まあ、これは単なる思いつきで、何の根拠もないんだけど。

いきなり、ニルヴァーナの話なんかしちゃうと読んでいる人は面くらうのかもしれないけど、私にとってはそれなりに合理的な筋道なのだ、これ。
自分のなかでは、ニルヴァーナとエヴァって、実はとても近しい存在で、90年代の文化というと、この二つが即座に思いうかんでくる。
私の脳内地図の上では、ナデシコやウテナやカウボーイ・ビバップよりも、ニルヴァーナのほうがずっとエヴァに近い。

この二つは、アニメと音楽という表現方法の差こそあれど、その底のところではかなりの部分で共通している。
まず、陰鬱な内面描写が多いってのがそうだけど、それだけじゃなく、その表出のさせかたがとても似通ってる。

カート自身は「強弱法」っていう呼び方をしてたけど、ニルヴァーナの音楽はゆったりとした静かなパートと絶叫を伴った大音響のパートがかなり明確にわかれてる。
内へ内へ螺旋を描いていったものが、一挙に放出されるイメージ。
エヴァも同じで、陰鬱な内面描写がえんえん繰り返された後、シンジが絶叫しながら暴力をふるう。
外部に追いつめられた内面が、ある臨界点を越えると一気に外部への暴力性として表出されるっていう表現スタイル。
そこがこの両者に共通しているところだ。

国も背景としている文化も、構成しているものだけを見れば、毛ほどもかぶってるようには思えないけど、私はこの二つの表現を似たようなもんだとずっと感じてた。

こんなわけで、この本を読んでいたら、ニルヴァーナのことを唐突に思い出してしまったので、久しぶりにカート・コバーンの伝記を読み直してみた。

4947599294病んだ魂―ニルヴァーナ・ヒストリー
マイケル アゼラッド Michael Azerrad
ロッキングオン 1994-09

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最初に大ざっぱな印象から述べると、とても痛々しかった。
もう、カート・コバーンという、このロックスターにあこがれることのできる年齢でもないし、ただ読んだ印象をそのままに受け止めてみたんだけど、それはやっぱり痛々しいとしかいうことのできないものだ。

かつては林業で栄えたものの、今は何の娯楽もない田舎町で育った人づきあいの極端に苦手な青年。
人と会話することに何の楽しみも見いだせず「それなら寝ているほうがずっといい」とすら言うカート。
そんな彼が、クリスとデイヴというバンドメンバーを得て、世界的なロックスターになっていく。
だが、それは成功というよりも、前からかかえていた混沌をさらに加速させるものでしかない。
「服用すれば胃痛が消えるから」と言い訳しながら、結婚したコートニーといっしょにヘロインにおぼれる。
カート自身は、ヘロインをやってるのは耐えがたい胃痛のせいだと語ってはいる。
なにせ他人の体のことだから何とも言えないが、とにかくヘロイン服用はカートとコートニーをこんな状態にした。

「ホテルの部屋に入ったときに、こいつらは本当にひどいことになってるとわかったよ」とデイヴは言う。
「二人はベッドの上にボロボロ状態でぶっ倒れていた。気分の悪い悲惨な光景だった。彼らに怒りは感じなかったけど、彼らがこんなことをしなくちゃいけないほど悲惨な状態にあることに怒りを感じた。自分の体が機能しなくなるまで、よだれをたらす赤ん坊のようになるまで、あんなことをする人がいるなんて痛ましいよ。『よし、ドラッグをやってメチャクチャになって醜態をさらそうぜ』って感じだろ。あそこまでやるのはバカげているし、悲惨だよ」。
「カートの部屋を訪ねたら、下着一枚のカートがドアを開けてくれた。ベッド・カヴァーからコートニーの髪の毛が少し覗いてた」とウェンディは言う。「古くなった食べ物のトレーが5つほど、ワゴンに乗ってたから、『カート、どうしてメイドさんを呼ばないの?』と尋ねると、コートニーが『ダメなの。彼の下着を盗んじゃうから』と答えたわ」。

これだけ読むと、ジミ・ヘン、ジャニス、シド・ビシャスといった、かつてのロックスターの歩んできた道をそのまま、なぞっているかのように見える。
そして、カートがありきたりなロックスターであったのも、また事実だろう。

たとえば、ヘロインをやってみたのは、イギー・ポップにあこがれていたから、という下りがこの本のなかにある。
少なくとも、あこがれのロックスターの姿を反復してしまう程度には、カートは弱かったし、また平凡な人間だった。
そういう平凡さというのが、今回、読み直してみてやたらと目に付いた。
たとえば、バンドが有名になったとたんに、カートが自分の著作権料を増やすように、他のバンドメンバーに要求するくだりがあるんだけど、これなんかもそうだ。
なんて、ありきたりな話だろう。
この伝記は、カートを神格化しようとはしていない。むしろ、その逆で彼がいかに普通の人間であるかを書こうとしている。
ただ、カートは普通の人間よりも致命的に弱かった。それが、あの悲劇的な結末の原因だろう。

ところで、今回この伝記を読み直してとても興味深く感じたのは、カートが性差別主義者、体育会系、ヘヴィメタルといった、自分たちの文化(パンク、グランジ)以外の文化集団に対して、激しく反発しているってことだ。

(嫌っていたパール・ジャムのメンバーであるジェフ・アメンがバスケット・ボールの州代表であったことに対して)
「体育会系の奴らが音楽業界にまではびこってる。最近は筋肉モリモリのマーキー・マークみたいな奴ばっかりじゃないか。ゾッとするよ。あいつらに仕返しするために、僕もバスケをやり始めるつもりだよ」

こんな感じでカートは他の集団に対する敵意をむきだしにしている。
この本のなかには、他にもこうした呪詛が満ちあふれている。

性差別主義者に対する敵意というのは理解できるけど、体育会系やヘビメタなんて、そんなに敵視するほどのものなのか、って疑問に思う。
まあ、ヘビメタとパンクは昔から仲が悪いと相場が決まってるもんではあるけど。

なぜ、カートはどうでもよいものに対し、必死に毒づくのか。
まるで、何かを否定しつづけていなければ、自分を保てないみたいに見える。

こういう露骨な敵意というのは、エヴァ当時の庵野にも見られたものだけど、庵野の場合は敵意を向けた先が「オタク」という、自分が所属してる集団であるところが決定的に異なってる。
この差が出てくる一つには日本とアメリカの違いだろう。アメリカのほうが、異なる文化間での対立が直接的だし、またときに暴力的だから。そこでは、自分を守ることで精一杯で、自己批判をしてるゆとりなんて、なかなかないんだろう。
それともう一つ、外部と対立することを前提としたロックと、外部を無視して内にこもることを前提としたオタクの違いもあるのかもしれない。

それはともかく、オタク批判、つまりは自分自身を批判し続けた庵野秀明は、それから10年後、嫁さんに自分を笑えるキャラとして描かせるようになった。
いっぽう、他者を敵視しつづけたカート・コバーンは「だんだん消えていくくらいなら、一気に燃え尽きた方がマシだ」と遺書を書き、自分の頭を銃でブチ抜いた。

たしかにエヴァ以降の庵野というのはみっともなかったのかもしれない。
迷走してた感がありありだ。

また、カートの自殺というものも、私は倫理的に非難することはできない。
この生が生きるに値するのかどうか、そんなことは知らないし、また興味もないから。

だけど、どっちの生き方が好きかと問われれば、庵野のほうかなってことくらいは言える。

エヴァ以降の10年というのは、庵野が自分のカリスマ性を失墜させていく過程だったが、それはそれでいいじゃないか。
結局、人の期待したカリスマ性なんてものに応えなきゃいけない義理なんてどこにもないのだ。

いっぽう、カートは自殺することで、ロックのカリスマになった。つーか、なってしまった。
しかし、そんなカリスマだとか何だとか、そんなものがいったいなんだっていうのだろう。
ただ、彼は普通の人間よりも、弱かっただけのことだ。肉体的にも精神的にも。
そこに同情はするし、また共感しちゃったりもする。実際、ネヴァーマインドを久しぶりに聞き返してたら、泣きそうになったし。
しかし、思いっきりドライに言ってしまえば、彼は悲しいまでに弱かった、ただそれだけのことだ。
そこに感傷の甘い粉をまぶして神棚にそなえるのも勝手だろうが、とりあえず私はそれに興味がない。

一つ勝手な夢想をすることを許してもらえるなら、もしカートが日本に生まれてオタクにでもなっていれば、もう少し楽に生きられたんじゃないか、って思いもした。

[参考記事] 安野モヨコ「監督不行届」 Trick×Trickエヴァじゃなくて"庵野"について書くよ-Trick×Trick

B0012V4WSWヱヴァンゲリヲン新劇場版:序 通常版
三石琴乃 林原めぐみ 緒方恵美
キングレコード 2008-05-21

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B000F6YP50ネヴァーマインド
ニルヴァーナ カート・コバーン
ユニバーサル インターナショナル 2006-05-17

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完全無欠なオタクはどこにいる?

ガンダムも見たことがありません。ドラゴンボールもない。エロゲもやったことある作品が少なくて、いわゆる過去の名作と呼ばれるものはKey作品をいくつかと君望くらいしかやってないです。

ぬるオタでごめんなさいー遥か彼方の彼方から


こんなふうに、自分のオタク教養のどこが欠損してるのかをあげてみるのって面白そうだと思ったんで、今回はそれについて書いてみます。

しかし、私なんて「オタクにでもなってみようか」と思って、オタクになってみたというクチなんで、そもそも自分のオタク教養のうちのどこが欠損してるんだかわからないです。
つーか、いまだに自分のことをオタクだとすら認識してないですし。
スゴいオタクの人を見ていると、自分はオタクじゃないよなって、しみじみ思うもの。

さて、自分のオタク教養のどこが欠損してるんだろう?
そのくらい知ってて当然だろ、みたいなデカいところはどこだろう?

デカイところといえば、ここかな?
映画パトレイバー。

これ見たことがないです。
BSでやってたのをチラっとは見たことあるんですけど、ちゃんと見たことがない。
これは、たぶんかなりデカい欠損ではないでしょうか。
いや、見よう、見ようとは思ってるんですけど、いろんなことにかまけているうちに、見る機会を失しているという感じです。

そういえば、押井守監督のアニメってかなりの部分を見たことがない。
宮台真司がさんざん言及してる、ビューティフル・ドリーマーも見てないですし、天使のたまごも見たことがないです。

攻殻機動隊はとても面白かったんだから、そこから他の作品にも手を付けてみればいいのにそうしてない。

まあ、面白いとは言っても、攻殻機動隊は押井版よりも神山版のテレビアニメのほうが面白く感じたんで、どうも押井監督と相性が悪いのかもしれないです。
ただ、パトレイバーthe Movieだけは必ず見ようとは思いますけど。
なにやら傑作らしいので。

漫画ではどこだろう?
ブリーチは読んだことないですね。
今、なんで自分の頭のなかにブリーチが浮かんできたのか、自分でもよくわかりませんけど。
少女マンガは、自分の目に付いたところしか読んでないので、たぶん穴だらけです。
世界中のゴルフ場のカップを足し合わせても及ばないくらい。

他にも、私のオタク教養のうちの欠落部分ってのは数限りなくあるんでしょうけど、そもそも欠落部分がどこなのか、ということ自体がよくわかってないです。
特にエロゲーあたりなんかは、それほど好きなジャンルではなかったりするんで、ほとんど無知のまま。
10本くらいしかやったことないんじゃないですかね、エロゲーって。

ところで、私はオタクになる前にこの本を読んでました。

4872332792オタク学入門
岡田 斗司夫
太田出版 1996-05

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この本に「アニメだけを見るというのはただのファンやマニアで、オタクというものは様々なオタクジャンルに精通していなければならない」みたいなことが書かれてます。
初めてこれを読んだときは「へー、そうなんだー」って無邪気に感心してたんですけど、どうも自分自身がオタク文化に触れてみて、また色んな人のブログなんかを読むうちに、どうも変に感じてきました。

たしかに、全てのジャンルに精通してる達人みたいな人っているにはいるんですけど、その数ってそう多くはないように見えます。

漫画に関しては異常に詳しいのに、アニメにはあまり詳しくないとか(松本憲生すら知らないとか)。
他にも、このジャンルは詳しいけど、そっちのジャンルにはあまり、みたいな例が結構見受けられます。

私のような、ぬるオタにも、そうした欠落が見えるんだから、他の濃いオタクの人から見れば、もっと眼につくものなんでしょう。

こういうのを見ていると「聞いてた話と違うやんけ」って、妙な憤りを感じてたりしたんですけど、そのうち、これって当たり前のことにすぎないように感じてきました。

だって、結局のところ、みんな時間がないんでしょうから。

以下は、googleに「○○ 平均 プレイ時間」などと適当に打ち込んでみて、上位に表示されたものを適当に並べてみたもの。


君が望む永遠 50時間

fate/stay night 60時間

CLANNAD 44時間



つまり、この数字は、この3つの有名なギャルゲーをやるためにかかる時間の目安です。
もちろん、これは個人差もあるでしょうから、一概には言えませんが、これくらいの時間がかかる場合があるらしいです。

私はクラナドはやったことないんですけど(Airならある)、他の二つならプレイしたことがあります。
君が望む永遠なんて、二人しか(遥と茜)攻略してないんですし、かなりテキストをスキップしたんですけど、相当の時間がかかったのは確かです。

ところで、この3つを全部あわせると154時間ですか。
不眠不休でプレイしてみても、えっと・・・・何日かかるの、これ?

いま、電卓で計算してみたところ、6日以上かかるらしいです。
寝ちゃダメ、排便しちゃダメ、たとえ食うにもプレイしながら、という過酷な条件下でも6日かかると。

たった3つのギャルゲーをこなすのにもこれだけの時間がかかる。
これに加えて、他のコンシューマ系のゲームをプレイしたとすると、まあ、えらいことになります。
どれくらいえらいことになるのかは、よくわかりませんけど、とにかくえらいことになる。
ドラクエとかFFとかのRPGを私はまったくやらないんでよくわかりませんけど、たぶん、あれらのゲームもこのくらいの時間はかかるもんなんでしょうし。

さて、今まではゲームの話しかしてませんが、オタク的な教養を深めるという目的のもと、これにアニメや漫画やラノベを鑑賞する時間も合わせると、これまたえらいことになります。時間的に。
どれくらいえらいことになるのかは、もはや判断することすらできません。
たぶん、生きている時間のすべてを注ぎ込まなければいけなさそうなことだけはわかる。

とりあえず、2007年に放映されたアニメの本数は127本らしいです。

2007年のテレビアニメ
(しかし、これ全部に眼を通した人っているんですかね?)

しかも、これに加えて、tek_kocさんが書いておられるように、若いオタクは過去作品も見なきゃならない。
オタク文化とは言っても、かなり長い歴史があるわけで、それに習熟するのはなかなか大変だろうと思います。
そりゃ、どう考えても時間が足りなすぎる。
これじゃあ、さすがに完全無欠なオタクってのがなかなかいないのも仕方ないんだろうなって思いますけど。

*そういえば、漫画、アニメだったら、教養として過去作品に眼を通さなければならない、みたいな無言のプレッシャーがあるように思うんですけど、ゲームってどうなんですかね?
たとえば「初期ドラクエをプレイしたことのないヤツはゲームを語る資格はない!」みたいな雰囲気ってあるんでしょうか?
セーブ機能すらないようなものを今さらプレイしろ、と言われても、なかなか困るとは思うんですけど。


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